胃・十二指腸潰瘍

心身の疲労や精神的ストレスによって、この症状を呈することが多い。心配・不安・恐怖などの精神的ストレスによって引き起こされやすい。
胃の中に食物がある時は、痛みが治まり、空腹時になると又、痛みが起きてくる。特有の症状は、痛み・嘔吐・出血がともないます。その他、むねやけ・げっぷ・むかつきの過酸症状があります。

漢方薬は、体質、病の程度、症状によって使い分けます。

1. 清熱解鬱湯(せいねつげうつとう)
  比較的体力のある人で、精神的緊張が持続して、ストレス、過労からおこる潰瘍です。

2. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  体力があり、顔が赤く、のぼせがあり、不眠、動悸などがあり胃十二指腸潰瘍の痛みと出血がある人に使用します。
3. 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
  胃の痛み、むねやけ、げっぷ、むかつき、嘔吐などの症状があり、胃のあたりのみぞおちがつかえた感じがしているものに使用します。

4. 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
  体力が中程度の方で、みぞおちから両脇にかけて軽い胸脇苦満があり、胃痛、食欲不振などの症状があります。

5. 安中散(あんちゅうさん)
  体力が無く、やせ気味の人で、冷え症、胃弱などの人で、胃の痛みやむねやけのある人に使用します。

6. キュウ帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
  潰瘍がやぶれて、出血がおこり、タール便などを出す人に使用します。

7. 加味帰脾湯(かみきひとう)
  潜血が少しずつ続いて貧血がおこり、体力の衰えた人に使用します。