冷え症

冷えるには、その原因によって処方を使い分けます。
附子・当帰・桂枝・呉茱萸・茯苓などの生薬を考えます。

I.全身的に熱量不足で冷える方

1. 四逆湯(しぎゃくとう)
  内臓が冷えて、陽気が少なくなり手足が冷えて、下痢する症状。

2. 真武湯(しんぶとう)
  体力が衰えて、水分が停滞して、顔色が悪くふらついて、動気やめまいがして尿の出がよくない症状。

3. 八味地黄丸(はちみじおうがん)
  下半身の機能の低下があり、年配の方の冷え症、夜間小便が近い、脚が弱って冷える、疲れやすく、口渇、しびれ、かゆみなどの症状。

4. 人参湯(にんじんとう)
  胃腸が冷えて、胃にもたれたり、下痢する時、口の中に唾液のたまる症状。

II.悪い血液の停滞によって冷える方

1. 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  体格がよく、体力があり、めまい、不眠、不安などの精神症状、足腰の冷え、肩こり、頭痛、のぼせて、月経異常の強い方。

2. 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  ふる血を取る薬で、足腰が冷えて、月経異常がある方。

3. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  足腰が冷えて、めまい、耳鳴り、動悸、肩こり、頭重、やせて、色白で貧血気味である方。

4. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょとう)
  手足や腹部の痛みがあるほど冷えて、しもやけができやすく、頭痛、悪心、嘔吐、頻尿などのある方。

III.体に余分な水があるために冷える方

1. 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
  色白で水太り体質で、汗かきで、体が重く、むくみやすい方。

2. 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
  腰から下が冷えて重く、尿の近いとき、尿量の多い方、腰痛など、利水剤でとれる冷え症の方。
  
IV.気のめぐりが良くなく気が上にあがってきて冷える方

1. 五積散(ごしゃくさん)
  へそから上はほてって、頭痛、肩こり、寒気、悪心、嘔吐など症状があり、下腹、腰、下肢が冷えて痛み、へそから下は冷える症状のある方。感冒、冷房病、胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛などの応用します。

2. 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  午後になると上半身が熱くなりかっとして汗をかき、頭痛、のぼせ、肩こり、イライラなどの不定愁訴があって、精神症状のあるとき。