肝硬変・肝炎

原因はC型肝炎から進行するものとB型肝炎を原因としているウィルス肝炎から肝硬変に移行するものをあわせると9割近くを占めています。
漢方医学の[気・血、水]の考え方からすると気の巡りが悪くなりあわせて血と水の巡りが良くなく瘀血が生じてしまっています。

瘀血の症状  口の渇き、皮膚や粘膜の紫色の状態、舌の色
           腹部の膨満感、手足のほてり、皮膚の色、
           歯ぐきからの出血、黄疸など
水滞の症状  腹水・尿不利・汗の状態など


肝硬変が進行すると肝性脳症や腹水の症状が出てまいります。このような症状が出てくる前に予防しなければなりません。
肝硬変から完治させるのは非常にむつかしいことになります。
治療しないでいますと肝不全・食道静脈瘤の破裂の状態が起こってきます。
・ 血液検査でCRPの炎症反応があるときにはFe(鉄)の入った食材は控えなければ炎症が治まりにくいです。
・ 血小板の値や赤血球の値が下がったり、ひどくなりますとアルブミン値が下がり腹水がおきてまいります。
・ 腫瘍マーカーのAFP値(正常値10以下)やPIVKA II(正常値40未満)の値が上がってきます。
・ アンモニアの数値が上がってきますと、肝性脳症を起こします。


I.体力のある方

1. 大柴胡湯合五苓散(だいさいことうごうごれいさん)
  体力があるときの黄疸・肝臓肥大・便秘がちな人で血圧の高い方に使用します。

2. 分消湯(ぶんしょうとう)
  体力の充実している人の腹水のある肝硬変の治療に有効であります。

3. 小柴胡湯合五苓散(しょうさいことうごうごれいさん)
  大柴胡湯よりも体力はおちますが、黄疸・疲労感などがあります。

4. 茵陳蒿湯(いんちんこうとう)
  食欲不振で尿の出が悪く、口の渇く黄疸に使用します。

5. 茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)
  口の異常な渇き・尿の出が悪く・黄疸に使用します。

II.体力のない方

1. 補中益気湯<(ほちゅうえっきとう)
  気力・体力の消耗しているときに使用。

2. 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
  皮膚の枯燥があり、免疫の落ちている場合(白血球の減少)に使用します。

3. 加味帰脾湯(かみきひとう)
  不眠傾向があり、血小板減少のあるときに使用します。

4. 人参湯(にんじんとう)
  冷え・腹痛・腹水があれば五苓散を合方

5. 真武湯(しんぶとう)
  冷え・腹痛・腹水・下痢

6. 黄耆健中湯加半夏(おうぎけんちゅうとうかはんげ)
  もろもろの不足で体力のない人で腹水があり食欲不振の方

7. 補中治湿湯(ほちゅうじしつとう)
  体力がなく肝硬変が長引いている人

8. 補気建中湯(ほきけんちゅうとう)
  体力がなく浮腫・腹水があるもの
  四君子湯と平胃散の合方から甘草を去り黄芩・澤瀉・麦門冬を加えたもの